スチームパンク時計は自作できる!制作方法や加工法などについて解説

スチームパンク時計の自作方法について材料などから詳しく紹介しています。また、塗装など、見た目の加工法についても詳しく紹介しています。

昨今SNS上で人気を博している「スチームパンク時計」が「自作できる」ということはご存知でしょうか。「専門的な知識がいるんじゃ」「どうせ難しいんでしょ」という方もいるかもしれませんが、そんなことはなく「誰でも簡単に」制作出来ます。今回はそんなスチームパンク時計の自作方法について詳しく紹介していきます。

スチームパンク時計の自作方法

スチームパンク時計は前述の通り自作が可能です。主な自作方法としては
・既製品にアレンジを加える方法
・時計から自作する方法
以上の2つが挙げられます。順に詳しく紹介していきます。

既製品にアレンジを加える方法

「既製品にアレンジ」と聞くと難しそうに聞こえますが手順は簡単です。制作の主な手順は
・好きなデザインの時計を準備する
・材料の用意をする
・材料の加工をする
・組み立てる
以上の4つです。順に詳しく解説していきます。

好きなデザインの時計を準備する

まずこの「アレンジする制作方法」の一番肝となるのがこの部分です。既製品をアレンジする場合には主に「ベルト部分」や「時計本体周辺」を装飾します。そのため選んだ時計の「本体デザイン」がスチームパンク時計の「味」や「世界観」を左右します。おすすめは中古の時計ショップで「懐中時計」や「古い味のある時計」を探すことです。

スチームパンク時計の世界観は「イギリスのヴィクトリア朝の雰囲気 」と「蒸気機関 」が主軸です。そのため真鍮などが使われている「アンティーク風」な時計を使うと、スチームパンク時計へのアレンジがしやすいです。またスチームパンク時計は「アート作品」なので、選ぶ本体もそこまで高性能である必要はありません。そのため、本体選びも安く済むことが多いです。

材料の用意をする

スチームパンク時計の材料となるのは主に
・革のベルト
・さびなどがついた味のある蝶番
・お好みで歯車のモチーフ
などです。ベルトと蝶番があればスチームパンク風にはなりますが「歯車」などをハンドメイドのお店や100円ショップなどで購入し使用すれば、よりスチームパンクの世界観が強くなるためおすすめです。また、時計用のベルトや蝶番は「Amazon」や「各種フリマアプリ」などでかなり安く購入できます。「自分でさび具合を調節したい」という方は「真鍮板」なども売っているので、そちらを購入しさび加工をしてみてください。また後述で、さび加工についても紹介していきますので「気になる」という方はお付き合いください。

材料の加工をする

ここでお伝えする加工は主に
・真鍮のさび加工
・真鍮とベルトの加工
以上の2つです。順に紹介していきます。

真鍮のさび加工

真鍮のさび加工にはいくつかの道具が必要になります。その道具が
・黒染めスプレー(染料の粒子が細かく素材に染みこむものを使用してください)
・激落ちくん(スコッチブライトでもOK)
主に以上の2つです。この道具を用い「塗装によるさび作り」を行っていきます。

真鍮のさびは「燻し銀」とも言われており、主に「真鍮独特の黒ずみ」のことをさします。真鍮は水分に弱いため、触れることで手垢や汗などがつくと、湿気や汗の影響によって「変色」が始まります。そうして「燻し銀」のような風合いになるため、アンティーク調の見た目に仕上がります。ポイントは「黒染め剤を使い、濃い部分と薄い部分、さびのない部分」をいかに表現するかです。ここからは「さび作り」の手順を紹介していきます。

さび作りの手順
・黒染めスプレーを軽くふる
・激落ちくんやスコッチブライトなど目の細かいもので、手が触れる部分をこする
以上の2つです。

ポイントは「あえてムラを作ること」です。そしてさび作りのコツは、養生テープなどでスプレーがかかる部分、かからない部分を分けることです。また、真鍮に凹凸があった場合には、手が触れない部分に対し「濃い目にスプレーすること」をおすすめします。ここまで出来たらあとは、激落ちくんなどでこすれば完成です。この工夫だけで長年使いこんだような味が出るため、ぜひ自作する際は試してみてください。

真鍮とベルトの加工

さび加工が完了したらあとは、ペンチやハサミなどを使い真鍮やベルトなどを好きな形に変えてください。おすすめは真鍮を腕の形に合わせて曲げ、真鍮の下にベルトを巻き付ける形で加工することです。そうすることで真鍮が肌に触れないようにできるため、さび具合を維持するのに一役買います。

組み立てる

あとは完成した部品と時計本体を組み立てるだけです。時計や素材などにこだわらない限り、かなり安価に唯一無二の時計が作成できます。時間もかからず「趣味」にも最適なため、ぜひ作ってみてください。

時計から自作する方法

次に時計から自作する方法について紹介していきます。この自作方法も「材料集め」以外は上記の「既製品にアレンジを加える方法」と変わらないです。そのため、ここでは材料について紹介していきます。

時計本体を作る材料として必要なのは
・フレーム
・ムーブメント
・針
・文字盤
・レンズ
・ラグ
以上の6つです。順に材料の紹介をしていきます。

フレーム

フレームは時計のレンズなどをはめる外側の部分です。材料となるのは、スチームパンク時計の場合、主に真鍮です。自分で制作するのも可能ですが、機械がないと正確な切り出しが難しい場合もあるため、初めは既製品を分解し用意することをおすすめします。

ムーブメント

簡単に紹介するとムーブメントとは、時計の「駆動」に関係する内部機構の呼称です。これがないと時計が動きません。また「自動巻き」「手巻き」に代表されるような「機械式時計にしたい」というこだわりがない限り、基本的に電池で動く「クォーツ式」と呼ばれるものを探してください。使用するムーブメントによってその時計の機能や特色が変わってきますので注意してください。

長針、短針、秒針はいろいろなデザインの物が、ハンドメイドショップや通販サイトで売られています。好きなデザインの物を探してみてください。またこの部品に関しても購入だけでなく、既製品の分解で部品が手に入るため、多くの時計や部品の中から好きなものを探してみてください。

文字盤

文字盤に関しては、ネットなどにある気に入った素材をプリントアウトすることなどが可能です。また「立体感が欲しい」という方は「3Ⅾプリンター」での印刷や、店舗や通販での購入も可能です。

レンズ

レンズは時計のガラス部分です。こちらもハンドメイドショップや通販サイトやフリマアプリで購入が可能です。フレームと合わせて既製品を使うと、大きさなどを気にする必要がないため、1作目などは既製品を分解して使うのがおすすめです。

ラグ

ラグは時計の裏ブタ部分にくっついているベルトを固定するパーツです。これもフレームなどと一体化していることが多いため、最初は既製品を使ってください。制作に慣れてきたらラグを作るのもありですが「溶接」などの作業が必要なため「全くの素人」という方にはあまりおすすめできません。

まとめ

スチームパンク時計の自作方法について細かく紹介してきましたが、ご理解いただけたでしょうか。部品もたくさんあるため、初めのうちは「どれを使ったら良いの?」と迷うでしょうが、慣れれば自分の思い描く時計が作れるようになります。「どうしてもわからない」という方は「ハンドメイドショップ」やSNSで誰かに聞いてみるのもおすすめです。